大ヒットした「クローズZERO」の主役とヒロイン役の二人を、そのまま今作にも抜擢した訳だが、その安易な二匹目のドジョウ狙いは、「ガッチャマン」同様、今作の大コケを予見しているように思える。

誰かがネットに書き込んでいたのを見たが、ルパン役は小栗旬よりも、大泉洋の方が良かったと僕も思う。あのボーッとした間抜け面（失礼ｗ）を短髪モミアゲにすれば、その猿顔だけで、ルパンっぽくて笑いが取れただろう。

又、同じイケメンなら、伊勢谷友介の方が、まだ良かったかもしれない。長身でスタイリッシュの格好良い伊勢谷が、トランクス一枚でジタバタする、コミカルな演技を見てみたい気もするから。でも、基本的にルパン役は、イケメンよりも、三枚目俳優が適任だと僕は思う。

クールで真面目な次元や五右衛門達と違い、基本的にルパンはお笑い担当。ドジで間抜けな面もあるが、締める時は締める二枚目半的要素がルパンの魅力であり、そこが長年ファンに愛されてきた要因だからだ。

ルパンを意識してベロを出してみたり、例の口調を真似てみても、やはり小栗の素のイケメン臭は隠せない。その似ていない寒いモノマネは、逆に痛々しかった。玉山と綾野のイケメン二人を両脇に据えるなら、ルパン役は冒険して三枚目俳優にやらせた方が、三人のバランスが絶対に良くなったと思う。

人気アニメを安易に実写化して一儲けしようと言う、原作への理解や愛が感じられないこの作品も、今から大コケしそうな雰囲気がビンビンしていた。


最後に、黒木メイサの不二子は論外……とは言うものの、代わりの不二子役も思い当たらない。これが二十年前なら、峰不二子が自分の理想だと言う藤原紀香が、事務所のゴリ押しもあって、しゃしゃり出てきたのだろうが。（笑）

個人的には、モデルのマギーなんかが、原作者のモンキーパンチが描く峰不二子のルックスにそっくりだと思うのだが、彼女にアクションは出来ないし、そもそもヌードシーンなどはNGだろうから無理な話。

マギーの入浴シーンや、半裸で鎖に繋がれて鞭打たれる拷問シーンでもあれば、内容的には駄作でも、そこそこの興行収入は出たと思うのだが……？